前回のお話の続きです。白雪姫という物語をご存じない方のために、おさらいです。
美しい女性がいました。
その美しさが永遠に続くように悪魔と取引をしました。
その女性が住んでいた地域の王様が、美しさに魅了されて女性と結婚します。
これだけだと、このお話は、その女性にとってはハッピーエンドです。
でも、王様には死別した前妻との子供がいました。
子持ちバツイチですが、財力と権力はあるので、魅力的な女性の結婚相手としてはOKだと思います。
女性は王妃様となりました。結婚して、王様に愛され、民衆に慕われ、家来を顎で使える立場になったんです。
完璧に幸せな状態だと思います。
王妃様は幸せでしたが、悪魔と契約した時にもらった魔法の鏡に問いかけることをやめられませんでした。
「私は美しい?」と毎日鏡に聞かずにはおれないのです。
鏡は毎日「世界一美しいのはあなた」と答えてくれます。
「魔法の鏡なんだから嘘を言うはずがない」
王妃様は鏡の言葉を信じています。鏡の言うことが正しい。鏡の言うことは絶対だと……。
前置きが長くなりましたが
ここからが本題です
自分に誇りを持つこと。自分がいいと思えばそれでいいんじゃ
老子先生は2000年以上前から自分で自分を愛することの大切さを説いています。
そんなに昔からこの言葉を言い続けなければいけないほど、自分で自分を愛することは難しいのですね。
王妃様は、自分の価値、存在理由を「美しさ」であると思っています。その思いは間違っていません。
OKです「美しい」というのは良いことです。
でも、「美しい」という評価を決めるのが自分なのか、自分以外なのか、というところで大きく人生の幸福度が変わってきます。
年を重ねるとシワができたり、肌にハリがなくなったりしますが、それは自然なことです。
シワがあって肌にハリがない=「不幸」ではないのです。
肌のメンテンスをしなくていい、という話ではなくて、年齢を重ねていく時に表れる現象に抵抗しすぎるのは自然なことではないですよ、という意味です。
若さを保ちたいという気持ちがあって、そのための努力をすることは悪いことではないのですが、無理をしても続かないですよ、ということです。
若さを保つために整形をして顔のバランスを整えて美しくなった人がいるとします。
でも、その人が美しくなったと思える期間は短いのです。なぜなら、整形の為に肌に傷をつけますよね?傷は治ろうとします。
ちょっと盛り上がったり引きつったりします。傷にとっては自然な反応です。
そのために整形前の顔よりも、本人にとって納得出来ない状態になったりします。それって不幸じゃないですか?
くどくどと書いてしまいましたが、白雪姫の物語の中の王妃様の場合、泥沼の人生にならずにすむチャンスがいくつかありました。
「そういえばそうねー」と納得する。
「そういう運命なのね」とあきらめる。
「白雪姫の方が綺麗だって鏡は言ってたけど、私の方が綺麗だわ」と思う。
こんな感じです。
王様の愛が白雪姫に移ってしまって嫉妬した、という場合もありますが、とりあえず、王妃様は、あんなに我が強いのに、自分の意見より鏡の意見を聞いた、というところが人生を誤ったポイントでしょう。
我の強さを最後まで押し通してほしかったです。「自分は美しい!」と思い続けて欲しかったです。
我、というのは自己肯定感のことで、老子先生がおっしゃった「自分がいいと思ったら、それでいい」ということです。
自己肯定感がポイントです!
白雪姫のことに関しての読み解きは、次回に続きます。
次回、乞うご期待!