夫の宿命に
ある天剋地冲
夫の宿命には「天剋地冲」という位相法があります。
これは、気持ちに変化を受けて、気持ちとは反対の現象が目の前に現れるという作用です。
そんな作用を持っている夫はつねづね、思い通りの結果を受け取れない目にあいます。
今日は、そんな夫に最近起こった出来事を書いていこうと思います。
なあ、お前おれへん時に湯、出えへんなってん
へー
お前が帰ってきたらお湯が出るようになってん
へー
給湯器、もうあかんな
買ったらいいやん
給湯器のチラシ、置いといてんけど、知らん?
捨てた
ほんまにお前は何でも捨てるんやな!!!
チラシじゃなくって、ネットで調べたらいいやん!
夫との会話のあと私はすぐに、給湯器を取り替えてくれる業者をネットで探し、見積もりを予約しました。そうすると、
業者から電話がかかってきたやんか!
俺が置いといたチラシは捨てるし、勝手に見積もり依頼するし、ほんまにお前は!!
と、 怒っています。そこで、
私がすることが気に入れへんねんやったら!あんたの好きなようにしたらいいやん!!
と放置することにしました。
私から見放された夫は、自分で見つけた業者に給湯器の見積もりを依頼し、そのまま工事を頼むことにしたようです。
取り付け工事の当日、工事の人が朝の8時30分にやってきました。
8時30分に来るとは聞いていません。
なんか、早い…
いやあ、ちょっと先に見してもらいますね
と言って家の中に入ってきます。
ちょっと先に見る、というのだからちょっとだけ見たら帰るのかと思っていたら、そのまま工事を始めました。
こんな些細なことで「うそ」をつく人は信用できません。午前中に来るとは言っていたようですが、8時30分は早いでしょう。
当日の電話連絡も無かったですし、いきなり来るなんてちょっと嫌な感じです。
工事中、家の玄関を開けっぱなしにして、家中に真冬の冷たい外気を入れ続けてくれるのも感じが悪いです。
開始から3時間半後、工事がようやく終わって業者が帰った後、取り扱い説明書を見ていた夫が言いました。
これで、お風呂に湯を入れながら台所でもお湯が使えるようになったで!
今までは一か所でしかお湯がでなかったのを、大きな給湯器に変えたから2か所同時にお湯が出るようになった、と言っているのです。
あっ、なんかおかしい。20型の給湯器を頼んで、見積もりも20型になっているのに説明書は16型になっている…
給湯器みた?
16型やった
20型を注文して、見積もりも20型になっていて、取り付けられたのが16型やったら、20型に交換してもらったら良いやん!
いやもう、ええわ。交換するにはまた工事しなあかんやろ
なに言うてんの!!
交換してもらい!!!
16型の値段にしてもらうから、このままでええわ
などと言います。日頃の、私への悪態からは信じられないぐらいの外面の良さです。
ここで私が強く言っても、夫は業者に交換を要求する可能性が0%なのは、今までの結婚生活で十分に理解しています。
家の中に他人が入ってくるのが苦手。
工事中、玄関のドアが開いていたせいで寒かった。
余分に払ったお金は戻ってくる。
給湯器の取り換え工事を要求すると、
また他人が家の中に長時間入ってくる。
また長時間寒い思いをする。
そんなことが嫌なので、取り換え工事を要求するのをやめたみたいです。
望んだこととは違う結果を受け取る宿命。
そんな宿命のモデルケースをじっくりと堪能させてくれる夫でした。