子の特性

十二支「子」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。

子は成長順位1番目。子という文字は、始めの「一」と、おわりの「了」という組み合わせでできています。始まりはすでに終わりを含んでいるという存在の原理を象徴するとともにひとつの終りが次の始まりになるという、循環性をも象徴しています。

『質は水性。北方、陽の水。行動と知恵が一体になって、前進力はあるが、蓄積と放出を繰り返して人生の波はかなり荒い』

「子」は種となる気(癸)がひとつしかありません。種作りの職人です。種には次代へつながる未来性と、残すべきすぐれたノウハウや情報が詰め込まれます。

原則として、種の気(癸)を持つ人は、晩成型です。また、知識や情報に対する渇望があって、知識欲、学習意欲は非常に旺盛です。それらはみな、種子の材料になるものです。

種子に中味が満ちるまでは、現実場面では直観力を駆使します。鋭い感受性と先見性を生まれ持っていると言ってもいいでしょう。そうした武器と学習能力がないと、種を作る以前に、迷走することになります。

現実の出来事や経験や、知識として得た情報をまとめて取捨選択して、種を作ります。抜群のまとめ能力と、感知能力があります。必要なもの有用なものに敏感になるでしょう。モノを見る目があります。次へ残すべき大事なものを選別する本能があるので優劣、善悪にこだわる傾向もあります。良質なものをこのみます。権威や一流(ブランドではなく中味)志向があります。

「一を聞いて十を知る」という早い反応力があって、頭の回転も速く、常に人よりも先んじた思考をします。が、それは自分が作る種子に必要な範疇に限られ、不要な意見や、意にそぐわないものは無視しがちになります。

眼力が備わらないうちは、人の言うことを聞けないわがままさにもなります。常に取捨選択の意識があるので、現実の出来事には過敏に反応します。同時に、選択しきれない問題が不安心理を助長します。細かいことまで気になって仕方がないこともあれば、細かいことによく気が付く、気遣いの人にもなります。

総じて、種の気(癸)を持つ人は、迷いと不安感はついて回ります。

ものごとをきちんと成す傾向になり、時間の配分や予定をたてての行動に長けていて、企画や計画という段階では、すぐれた力を発揮します。子の文字のいわれのように、始まりと終わりには強いのです。また、緊急時に要点を的確にとらえて処理する能力はずば抜けています。

子には、ひとつしか気がありません。思考と行動に一体感があって、一見はわかりやすい人です。基本的には明るく、時には楽天的とも思えるシンプルさです。妥協や自分を曲げることが苦手になるので、頑固な保守性を持っています。

丑の特性

十二支「丑」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
丑は成長順位2番目。丑は紐(ひも・からむ意)で、萌芽が種子の中に生じてまだ十分に伸び得ない有り様を表しています。苦労して種子を開花させる方向へ持っていこうとする姿です。

『質は土性。北方、陰の土。湿土のため表面は柔和でも内面は自我と強情さがある。 人生行程の速度は遅く、中年期以降に運をつかむ。 平和を望み動乱を好まないが、動乱期にあっても自己を見失うことはない。』

種子が殻を破って発芽する行程での、困難な状況がイメージされます。内面の自我と強情さは、現状を打ち破るための力です。器用さや、早急な対応力はなく、忍耐強い努力家となります。

平和といっても個人的な平和観で、自分の生き方を乱されたくないという思いの現れです。環境に左右されない、独自性を持っていて、穏やかでも協調性があるとは言えません。

前の発育段階の「子」が直感と知識で行った取捨選択を、プロセスを吟味して独自の判断でなすことができます。開花させる役割はないために、華やかさや、前に出る勢いはありません。代わりに、自分なりの「種」を作るための作業を推し進めます。それが先駆的持論となり、自分の信念と確信で行動することになります。根拠のない自信とみられますが、自分が創る新しい「種」へのこだわりです。

なんらかの研究者、探求者の資質を持ちます。また、新しい種を作るために、創造的思考ができます。自分で答えを見つけて行くので、自分独自の考え方を持ちます。それが頑固さになり、人からの干渉を嫌い、やや偏屈な性向にもなります。

通常は地味でおとなしい性質です。我慢強さもあります。好きなことに注力するので、気が向くことと、どうでも良いことの差は大きくなります。勢いで生きる若い時よりも経験値が増して、方向が定まってくる後半に良さが出ます。結果の最大値を抽出して、実りある形に整え、蓄積して次へ展開する新しい種子を作ります。

自説へのこだわりが強すぎるために、思い込み方によっては軌道を外れた人生になる可能性もあって、客観性と、常識的教養の取得も必要です。

寅の特性

十二支「寅」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
寅は成長順位3番目で、種子から草木が発生する状態をあらわしています。

『質は木性。東方、春の陽木。守りに強く、独立独歩。内側には前進への気迫が宿る。活用運用の才があり、与えられた環境やものを使ってそれを土台とした人生を作る。観察力、洞察力に富み、批判力も持ち合わせている。大局的な視点を持ち、内に秘める情熱は多大』

春の陽木にふさわしい気の並びを持っています。全身に気迫が宿り、最大値を目指して前に進んでいる状態です。明るく前向きでまっすぐな気性。愚痴もこぼさず、勇気をふるいおこして、笑って難関を突破するたのもしさがある人です。

物事に対してスタートするまでは不安や迷いもありますが、決断すると人が変わったように勇猛果敢な虎の性格になります。どんな環境にあっても、その環境を最大の状態にしようとする本能があります。

飛躍的三段跳びのような状態になり、周囲がついて来れないような前進力を持っています。独立心が旺盛で、度胸もあって、単独行動向き。協調性はないのですが、竹を割ったようなさっぱりした気性なので、人からは好かれます。

愚痴を嫌い勇気と努力で難局を突破する頼もしい存在になります。自尊心は強いのですが、ものの考え方は合理的で理論好き、決断も早いでしょう。情も厚く、親分肌タイプで、人の面倒見も良いほうです。が、なぜかその割には報われないことが多いのです。

目的のためには無理もするし、周囲の風当たりも強くなります。しかし、常に最大値を目指すので、困難を乗り越えて最後は勝者になります。なれなかったとしても、その信念を捨てない人です。

一本道の前進力で、勢いがつくと、強さが前面にでて、行過ぎての失敗があります。ただ、心の底は楽天的で、どんなにあたりが暗くても、「日はまた昇る」という信念を捨てません。  

前に進むリーダーシップはあるのですが、ものごとのまとめには弱点があります。また、家庭の中に地味に安住することも苦手です。行動を結実させ、次へバトンタッチするようなおさまり方ができません。将来に対して、着地点が見えない不安感は常についてまわるでしょう。

行け行けの前進が止まると、意気消沈して、別人のような落ち込み方もします。平穏で動きの少ない世界にいると、自分が波乱の種をまくようなこともあります。

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卯の特性

十二支「卯」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
卯は成長順位4番目で、茂る。草木が地面を覆う状態をあらわしています。

『質は木性。東方、春の陰木(草花)。協調協和の精神を持ち組織をなして美とする。動乱期にはアウトローとなり、平和な時代では体制側に組する。安直さを望むために、人生の波はかえって荒くなる』

卯の中の気は一つしかありません。これを双葉にして伸ばすのが卯です。基本的には群れて咲く草族です。皆と協調しながら咲きます。

柔軟性に富み、敵をつくることを嫌います。柔らかいムードを持ち、人の心をつかむ才覚があります。兎に例えられる12支ですから、一見、おとなしいタイプの人が多くみられます。

一つしかない気は、どこにいても芽を出すことを考えます。ある種のワンパターンなので、環境の影響を強く受けます。動乱期のアウトローとは、波乱の環境では穏やかに咲けないためにアウトローにならざるを得ません。ここに単一気の不器用さがあります。

また、温和で芽を出すワンパターンは、特に若年時の波の荒い環境では落ちこぼれることがあります。周囲との波長が合わないのです。時には兎といえども、純粋さゆえに、牙をむきます。

周囲とともに穏やかに咲くという本性を持ちながら、若芽の純粋さと、双葉を広げることへの集中的こだわりが環境への適応力を狭めます。滞っていることがあれば、自分でなんとかしようと思い、困っている人がいれば助けようと思い、若い成長のエネルギーはじっとしていることが苦手です。

敏捷な行動力や思い立ったら、すぐに行動にうつらなければ気がすまない性分です。良く気が付くので、人に感謝され愛される反面、軽率な行動での後悔や覚えのないねたみや中傷を受けることも、少なからずあるでしょう。

下界の空気に初めて触れる双葉の新鮮さと過敏さがあります。衣食住に神経質にこだわる部分が出てきます。居心地の良い場所、食べ物、着るものなど、なじんだものはずっとなじみ続けます。反対に、なじめない環境になると、転居や転職が繰り返されることもあります。馴染みたい願望があるために、心地よく感じるものの手招きに乗りやすくすべての誘惑に弱さをもっているといってもいいでしょう。

適環境を求める本性は、情報を得ることを重視します。情報を集める勘のよさがあり、研究心や探求心も旺盛になります。

自分の適環境だけでなく、周囲の人たちが心地よくいられることにも配慮します。結局、落ち着ける環境を得ることは難しいようにできているといってもいいでしょう。

卯の一番の特徴は、適環境を得ると「ゆるむ」ことです。穏やかな春の日に包まれて、同じように双葉を広げる群れ環境を得ると
ずっとそこにいることを望むようになって、動きのすくない、ある意味では怠惰な性情のまま成長することになります。

結局のところ、ユートピアを求めながらも、たどり着くことなく周囲に気を使い続ける、感度の良過ぎる長い耳をもった、愛らしいうさぎさんの、波乱に満ちた人生を歩むことになるのかもしれません。

辰の特性

十二支「辰」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
辰は成長順位5番目で、成長段階のピーク(繁殖)。万物の形が整って、活力が旺盛になる状態をあらわしています。

『質は土性。東方、陽の土。内面には燃え上がる情熱を持つも、それが発揮できずに、葛藤が大きい。内面と外面の不均衡が極盛と極衰を作る。時として、新しい時代や社会を創る物が現われる』

辰の中に含まれる気は、(発芽)・(種子)・(繁茂)と、自然なつながりを持っていません。12支の中で唯一、干合構造を持っています。
干合とは、陽の極と陰の極が陰陽和合して新しい気を作る働きです。かけ離れた構造があるために、「極盛と極衰を作る」となります。

種子から発芽というスタートから、いきなり最大繁茂へと飛躍します。この飛躍こそが、辰の魅力と役割りと問題点の源です。種子を発芽させる、優れた知性や強い信念を持っていますが、ここから完成までのプロセスがないために、多くは立往生を経験することになるでしょう。

周囲から見ると、勢いの良さと、怠惰さの、両面を見ることになります。辰自身からすれば、中途で道を見失い、とまどい途方に暮れる状態を人生のどこかで、特に、中年期くらいまでの間に、何度か経験することになります。

現実的には、自分の目的にひたむきになっているあいだは熱心な前進力になりいったんつまづくと、あっさりその目的から手を引いてしまうことになります。熱中とあきらめとの二つの極の間を大きく揺れ動くのが辰の特徴です。

自分の中では、(種子)が(繁茂)の状態になっている完成されたイメージがあって、それが自信や自負心の根拠となります。これは周囲からはみえない部分なので、その姿は虚勢を張っているようにも見られます。逆に、周囲の人の未完成が気になって、批判的な口出しをすることもあり、人間関係の苦労を背負うことになります。

種子からプロセスのない最大繁茂という完成図を持つことは、ある種の独善性を生みます。自分は王国の王であり、周囲がその王国理論を外れることは容認できません。自分のイメージ通りにならない現実への苛立ちや怒りを持ちやすくなります。

それを当然だと思うと、争いになり、浮沈の大きな人生へと迷い込みます。思わなければ、スケールは大きく、細かいことにこだわらない鷹揚さとなりさっぱりとした気性で、人から信頼を受ける、王様への道が開かれるでしょう。

辰の発芽から最大繁茂への飛躍は、弱点であるとともに、大きな可能性になります。既存の秩序にこだわらない、新しい世界を創造することができます。一度挫折したところから、いかに自分なりの最大繁茂を実現する道をつかむことができるか、それが、人生を左右する、大きな分岐点になります。

12支の中で三つの気で序数的流れをもたないのは辰だけです。飛躍的な極盛の可能性を持ちながら、迷いと挫折の道のりになります。挫折は、必須といってもいいでしょう。その理由は、干合構造にあります。

挫折すると、危機管理能力として、干合が発動して、流れを作ります。ただし、この干合はダメージが大きすぎると、戻りきれないこともあって、自失のリスクも含まれています(辰は強い支なのでリスクは少ないです)。が、壁にぶつかるたびに、プロセスを習得する機会を得ることは確かでしょう。挫折を恐れずに、自分の中にある種子を、飛躍的な発想で最大繁茂させることが辰人のなすべきことでしょう。

巳の特性

十二支「巳」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
巳 巳は成長順位6番目で、繁盛が最大になった状態をあらわしています。

『質は火性。南方、陰の火。直感と理論の間で、精神の不安定を作る。芸術に才能を発揮し、特殊な創作能力を有する。大衆の中にあっても孤独、孤独の中で前進していく。外面の明、内面の暗』

巳は植物が成長する最後の段階です。一つ前の十二支の辰が繁茂の意志だとすると、巳はそれを確固たるものにするために(成長)→(繁茂)→(変化)という流れを自分のなかに持ちます。 (成長)は直感という意味で、(変化)は合理性と理論をあらわしています。

つまり、植物を最大まで繁殖させてから実を結実させる役割を持っているのですが、成長させる感性を結実させる論理にする、という物事をダイナミックに変化させるスケールと、感性と知性をあわせ持った高い能力が必要になります。 同時にそれは、なんらかの精神の不安定要素になると、言われています。

自分の中に変化の工程を持っているので、人生全般、気苦労は多くなります。また、人の世話をするような場面が多くなり、面倒見も良いでしょう。

何かを始めた時、出だしは情熱的な部分が出て執着も強くなりますが、何事であってもピークが過ぎると、冷静さが戻って、取捨選択の意識が働き、嫌なものをあっさりと捨てることができます。

仕事面では責任感強く、与えられたことは完遂します。人からの信頼も厚く、また、援助を受ける運も持っています。大役を果たすために必要な強い精神力を持ち、時に強い執念や、激しい怒りとなって、別人のような変貌をみせることもあります。

高い能力と強い気を持っていながら、巳の人には妙に弱気な一面があります。前述した感性と理論の衝突による不安定さも一因ですが、スタートと完成を知らずに途中の過程として大作業をして、結果をイメージできないことからくる不安です。

それは、(成長・感性)よりも、(変化・理論)の段階で表れることになります。自分が行っていることの結果を予測できない不安から、依存心が増すことがあります。自分がしなくてはならない決断を人まかせにするようになると、想像力も、創造力も鈍ることになります。

植物の成長過程のなかほどにあたる巳の人は、私的なことよりも外的なことに関心が向かう傾向を持ちます。向上心が強く、几帳面で綺麗好き、技芸の才に恵まれ、手先も器用、シャープな頭脳とカリスマ的スケールの大きさがあります。不安を乗り越えた巳は、手品師のように、空中に独創的な大輪の花を咲かせます。

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午の特性

十二支「午」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
午は成長順位7番目で、これまでの流れに逆らうような逆転する意味を持ちます。

『質は火性。南方、陽の火。内面も外面も明。気性は相当に激しい。直情の性格が人生の壁を厚くする。 人間性の豊かさと正直さが救いになる。 家庭・家族には心を砕き、情熱を傾ける』

木が成長して最大繁茂となり、咲ききった花を閉じて、果実として実を結ぶ方向へと変化させることが役割です。

内面に陰気を持ちますが、性格的には外へ開いていく明るさと正直さがあり、内にあることを隠しておけずに、何事もオープンにして行きます。内面に、感情調整機能のようなものがないので、喜怒哀楽などには敏感に反応し、感情の波は荒くなります。思いつめると鬱的症状にも陥ります。明るい時と落ち込みとの落差が大きいというのも特徴です。

表に出る気質はさっぱりして、駆け引きなどを嫌う真実味ある人間性になります。スケールも大きく、カリスマ性もあって、人を引き付ける魅力の持ち主です。ストレートに気持ちが出て行くので、直情傾向、気性は総じて激しいほうです。それがまっすぐな行動力になるので、人よりも一歩先んじようとする傾向を持ちます。

行動力と陽気さを併せ持つので、人づきあいも良く、つねに胸襟を開いてつきあうので裏表のない誠実な人間関係を作ります。しかし、思っていることが口に出るので、たてまえ社会では舌禍や争いが起こることもあります。

ただ、根に持つタイプではないので、後には引きずりません。積極的で負けず嫌いの一面があって、何事にも全力で取り組むのですが午の持つ、最大値を変化させるという特質があるので、途中で方向が変わります。一直線の完成で満ち足りることはありません。

ここに午の難しさと可能性があります。周囲から見て、長続きしない意志の弱さとみられたり、きまぐれ、無責任と非難されるようなこともあります。しかし、単にあきっぽかったり、投げ出したりしているわけではなくそのことを続ける意味がないことを、無意識が感知しているためです。とはいえ、人格の完成度によっては、きまぐれな人間性を作ることもあります。

実生活は豊かな雰囲気や気分を好み、出費が多くなりがちです。派手なわけではなく、常に最大繁茂の現実なので、生活様式が拡大するためです。また、家庭に関しても、明るく楽しく、という気持ちが全開するので、家庭、家族、周囲の人を大切に思う気持ちはかなり強くなります。 

どうしたら、人々が、最大繁茂を得られるのかを考え、それが深い愛情となります。

現実は最大開花をめざし、精神はそれを変化させようとする、この矛盾が安定した生活を続けていると、精神の不安定さにつながります。その不安定さが、すぐれた選別眼を養い、現実を見抜くことで安定が生まれます。

人を見る目、ものを見る目は確かとなり、繁栄の中でも満ち足りることなく、残るもの消えるものを見極めているのです。

未の特性

十二支「未」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。

未は成長順位8番目で、万物が成熟して滋味を生じたさま、成長が終わり実をつける状態をあらわします。

『質は土性。南方、陰の乾土。外面の陰、内面の陽で若い時は忍耐強さと強情さが、運をあげる。多芸多才。人生は平穏で波乱は少ない。財運がある』

未の中には(発芽)→(成長)→(繁茂)の気があり、発芽から最大繁茂へと順次向かいます。未は陰(現実)フレームで、中身も偶数の陰気で、矛盾のない現実味があります。一段一段、階段をのぼるように、確実に上がって行く堅実さがあります。器用な世渡りができる性格ではなく、地道に、経験を積み重ねることが本性です。

飛躍した発想はなく、実現不可能な夢を追うようなこともしません。地に足のついた堅実な保守性を持ち、その努力が最大繁茂へとつながります。

成長→変化という流れを受けて、実をつける役割りなので、技芸に優れて器用さがあります。果実の気品と魅力があり、内側に、秘められた何かがあると感じさせます。

表面上はおとなしいのですが、内に秘めた芯の強さは、なみなみならぬ大きさで、進取の気に富み、最大値を目指して、地道な努力を怠りません。現実生活で、最大値を果実という実りある形へと変形させるのが未です。

ただ単に最大の現実を得るだけでは満たされず、そこに結実を求める姿はどんなジャンルにおいても、能力のある職人に重なります。緻密な心配りと、丁寧な作業、几帳面で綺麗好きの傾向を持ちます。

美的感覚にもすぐれ情感豊かな人となるでしょう。滋味を作るので、食にも気を配り、食に通じた人にもなります。

発芽から繁茂までの道筋が備わっているので、人の手を借りることは好みません。自分の思いを貫く自我の強さがあります。フレームも中身も現実の一本道となるので、融通の利かない頑固さや自分の足元だけを気にする視野の狭さという、課題も抱えています。

ちょっとした拍子に反発心が言葉となって表に飛び出るので、舌禍がよくあります。角のあるヒツジ。見かけとは違って、意外に短気な怒りんぼうです。それは思い通りの結果を得たいという本性があるためでしょう。

人任せではすまない神経質な面もあり、自分で背負い込む気苦労が多くなります。孤独はそれほど苦にはしませんが、群れる羊の例えのように、同じ匂いのする仲間を本能的に求めるので、身近な人間関係は特に大事にします。

広い交友は望まずに、居心地の良い、同種の仲間の連帯の中に身を置きます。未の現実最大繁茂は目的ではないので、環境内ベストのことです。どんな環境にあっても、その中で最大値をめざし他にないような、芳醇な果実を創り出すのです。

申の特性

十二支「申」算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
申は成長順位9番目で、成熟した果実が収縮して種子を形作る状態をあらわしています。

『質は金性。西方、季節は秋、陽の剛金。動乱にあって名をあげ、前進と闘争の中で成長する。多芸に才能あって、実行すれば必ず出来る。ただし、人生多岐に流れ、まとまりを失う恐れあり。行動はすばやく、行動内にも思考があって、思考の中に行動がある。情は薄く、情には流されない』

呻く(うめく)という語源に象徴されるように、(繁茂)・(変化)・(作種)という行程には、なんらかの葛藤と簡単にはいかない苦悩が暗示されています。気は全部奇数で、申も陽気なので、これらは「意志」です。 

最大繁茂の意志を受け継いで変化してきた果実を固めて種を作る役割です。最大から最少へという変化の大きさを、意志(理論)によって成し遂げる役割りです。

いく筋もの可能性があって、多くの困難の末にたどり着くことになります。変化や困難を乗り越える知恵を身につけ、変化の中で成長します。意志を現実に置き換えるという作業も必要で、理論的、戦略的思考を持っています。

頭の回転はかなり速く、才知にたけた、優れた頭脳の持主です。情に流されることは少なく、主に現実の智恵となります。事にあたっては機敏に立ち回りチャンスをつかむことも上手、思ったことはたいてい実現させる能力の持ち主です。

種子から成長というプロセスのない(繁茂)がスタートなので独自の繁茂を作ります。地味でも(能力)派手でも(目立つ行動、パフォーマンス)でも、注目されることで繁茂を実現することになります。

学歴や財力や名誉、地位などが、繁茂を象徴することにもなり、まずは、現実的な質になり、わかりやすい価値あるものを身につけます。また、無から最大の有を生じるような、手品師のような才覚も持ち合わせています。

繁茂はスタートであって頂点ではありません。ここに申の多様性と難しさがあります。得たもの身につけたものを実りある果実へと変化させます。

これもまた意志なので、自然に結実するわけではなく、もう一段の知恵を働かせます。頂点で安住しようとすると、人生は勝手に変化していくでしょう。

小さな成功で安心するのではなく、落ち着きを持って、つねに目標を先にかかげて前進します。向上心と工夫の才があり、より豊かなものを求める本性が自分を動かします。

そして最終的にはそれを種として固めて行くので、家族的内輪的傾向があります。外側では、情に溺れることはありませんが、内輪の関係では、思いやりもあって愛情も豊か、家庭を大事にします。

外に薄情なわけではなく、明るく快活で天性の社交性があり、人脈も豊富です。ただ、必要なものを見抜く眼力があって、無駄な人間関係は作りません。サルも木から落ちるのことわざ通りに、自己過信がすぎての失敗があります。

頭の回転の速さが、計算高いと思われて、人間関係を損なうこともあるでしょう。

酉の特性

十二支「酉」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
酉は成長順位10番目で、果実を固めて種子を作る役割を持ちます。

『質は金性。西方、陰の宝玉。人に例えて文官(今で言う官僚)。直情の性格があるために、その名を損ねてしまうことがある。 幼少期には方向が定まらず、貧に育って名をあげ、富に育てば名をなさず』

豊かな果実を時間をかけて種子を作る性質をもつため、運勢は晩成型。始めから熟した豊かさを与えられてしまうと、燃焼できません。文官とは能力と高い地位で政治に関わるような人を言います。

熟した果実は、豊富な能力を秘めていて、行動する現場よりも能力を使う机上が働きの場になります。

種を作るという最終行程ゆえに、誰よりも早く結論にたどりつくという特性があります。頭の回転が速く、早見えで、せっかちな傾向です。思いつくと黙ってはいられません。情はあるのですが、気がつきすぎて、おせっかいに思われることもあります。

他の人がよく納得できないうちに、自分だけ暴走するおそれにもなります。他者からは先走りですが、酉としては、読み切っているわけです。時には、自分だけの思い込みや、独善的論旨を展開して、気が付かないうちにそれを他者に押し付けたりすることもあり、周囲と一線を画して、孤立する場面も多々あるでしょう。

長い時間の後、結論の正しさは立証されるのですが、わかりすぎる孤独があります。

仕事能力は高く、几帳面かつ熱心に職務をこなします。まとめ能力があって、仕事でも組織でも、中心になって他をリードする力もあります。また、酉=酒 の意から、酒豪が多く排出されます。大酒を飲んでも、めったに乱れることはないようです。幹事役も得意です。

果実を蓄える役割を持つので豊かさは約束されていると言ってもいいでしょう。ものには不自由せずに、経済的にも恵まれる傾向があります。

ただ、自説を曲げられない頑固さはあり、マイペースを崩されることを嫌います。文官といえども、組織的協調性はありません。

人を使う役どころなので、人使いが荒くなる傾向もあります。宝玉にふさわしいものを求める本能があり、身だしなみに気を配り、形を整えます。

おしゃれでセンスが良く、色彩感覚にすぐれた豊かな感性があります。器用で芸事の才能があり、特に音声の綺麗な人が多いようです。

実際、熟した果実には多彩な能力が秘められています。ただ、それは種子にするためのもので、それを活用して、自分が動き回って現実に活かすことは役割ではありません。自分が動くのではなくて、世界を動かす種を作ります。それが文官の働きです。

戌の特性

十二支「戌」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
戌は成長順位11番目で、戌は鉞(まさかり)。刃物で刈り取ってひとまとめにして収穫する状態をあらわします。

『質は土性。西方、陽の土。蓄積の才能が豊か。戌は商人、小財は常に身にもつ。つねに活発なる行動性と、直観力にも優れ、責任感も強い一方、ことを起こそうとすれば、やや無謀とも思われる行動を敢行する』

戌は種を収穫する役割です。収穫は人為的な作業で、それゆえに、戌は人間的になります。
(成長)→(繁茂)→(果実)、最後の(果実)を収穫する稲刈りのような刈り取り作業から、蓄財の才が連想されます。

自然の流れをもたない自立的現実観があって、時に無謀な行動力になります。家系の流れからも切り離されて、独自の流れを作ります。天理の及ばない刈り取り作業をします。自分の力がすべてです。自分を信じることが原点となり、自分に正直で、誠実さを持ちます。

ただ、それが強すぎて自分の考えに対する固執となり、人と争いになったりわずらわしい関係を避ける傾向も持ちます。せっかくまとまりかけたことが、強情や正義感などによって破綻することもあります。情に厚い人ながら、人との意思の疎通を欠きやすく、あまり弁解もしないので、損をすることもしばしばです。

自然の摂理からは離れて存在するため、我が身は我が身で守る本能が発達します。身体能力の高まりがあります。これは強いということではなく、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚などが自然の状態よりは発達します。過敏な感覚です。それが能力につながることもありますが、通常は自分を守る意識の高まりになります。

仕事に関する責任感は相当に強く、与えられた職務は几帳面に果たします。実行力に長け、前向きに仕事に取り組みます。結果を出すことへのこだわりもあり、きちんと答えを出して行きます。自分がこうと思ったら、なんとしてもやり抜く強い意志があります。義理堅く、勇気があり、責任を完遂することに、労力を惜しみません。

まじめな堅物のイメージもありますが、深く接するとユーモアーのセンスがありそれなりの社交性も発揮、人の和を保つこともできます。ただ、器用さはないので、誰とでも仲よくという形にはなりません。

リアリストであるがゆえに、芸術や文芸への造詣も深く「自然」に対しては逆に意識するようになり、自然へのこだわりも生じます。

自分なりの精神世界を持つ、ロマンティストです。信頼関係を大事にするので、尊敬する人や解り合えた友人などには自己犠牲もいとわずに、忠誠心をもってつくします。狭い範囲で、深い付き合いをします。反対に、意にそぐわない人とは、一定の距離を置き、妥協しない頑固な一面もあります。

種を取る役割なので、男女とも子どもをよくかわいがります。特に、女性は、愛情に敏感で、表現も率直で、まじめな恋愛をします。ただ、結婚して家にじっとしていることは苦手で、仕事を続ける傾向があり、専業主婦には向かないかもしれません。家事を苦手とする人もあります。

現実を見る目は確かで、いいかげんな行いや、机上の空論には厳しい批判もします。自分で自分を律して現実を作る姿は、嘘を嫌う純粋な人間像となり自分が信じることだけを行動の規範として、信頼感のある生き方を貫きます。

亥の特性

十二支「亥」
算命学では、人が社会に対して見せる性格を植物の成長順位として12の段階にわけ、それを12支にあてはめて表現しています。
亥は成長順位12番目で、刈り取られた実から種を抽出する作業。新しい生命が内蔵された状態をあらわしています。

『質は水性。北方、陰の水。冬の水は常に一陽来復を願う(春を待つ)。粘り強さがあって困難に強い。 性格は外面明、内面暗。孤独には弱い。生活を楽しむアイデアがあり、創意工夫の才覚がある』

亥の中には(種子への意志)→(発芽の意志)という、最後と最初の意志を含んでいます。
多彩な能力と可能性が秘められた次世代の命となる種子を、発芽させる意志です。
現実にそのまま反映できる行程がないので、発芽への意志が先導します。

目的を達成するために驚くほどの意志力を示し、自分の考えだけで動きます。すべての行動に対して、沈着であり、熱心であり、ひたむきです。そのひたむきさは、ときとして、周囲との融和に欠けることになります。それでも意志を曲げることはなく、猪突猛進するイノシシのイメージです。

実態がない意志先行で、なおかつ人為的な行程なので、理想主義的な側面と現実的な側面の、極端な二面となって、平均的な生活は難しく、アウトサイダーとしてマイペースな人生を築きます。

やや独善的な激しい行動力ですが、なにごとに対しても、自信にあふれた態度で接するリーダーシップがあります。仕事でも家庭でも愛情面でもタフ。目標を定めると一気に前進します。それがすぎると、一徹で意地が強く、無理を押し通す剛直な一面になります。

また、亥には自然な肉体の欠落という、一連の生命の系譜から外れたところで肉体を授かるという意味があって、特殊な身体能力や霊性が身体に宿るような、得意な身体特質を持つことがあります。多くはすぐれた身体能力となりますが、時に、虚弱な部分を持つこともあります。

向かう方向が定まらずにあせると軽率短慮となって、気持ちとは違った方向に動いてしまい、誤解を受けやすいでしょう。また、挫折しても反省や立ち止まることができずに、迷路へと突入して傷を深める傾向があります。 

自分に忠実、潔癖、人間関係でも仕事面でも好き嫌いがはっきりと出ます。独断傾向で、融通性、協調性があるとはいえません。気持ちの持ち方と教養の程度(社会への対応力)によって、好不調が左右されます。

思い込みの強さと努力する力、純粋さにすぐれるので、目標が常に前提となります。目標が定まらないと、種子の中にこもって、身動きができなくなります。基本的には表向きは明るい前進力ですが、内面は暗い種子の中です。

内包された豊かな種子の可能性と、特殊な肉体構造(霊性)ゆえに、クリエイティブな才能の持ち主が多く、斬新な発想と、意表を突いたひらめきによってこれまでになかったような世界を開花させる可能性を持っています。

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