天剋地冲とはなにか
天剋地冲とは干が剋の関係になり、支が対冲の関係になるものです。剋は精神に影響を及ぼし、対冲は現実に影響を及ぼします。
対冲の種類
十二支の五行が向かい合っている関係が「対冲」になります。対冲の種類によって現実の世界であらわれる現象は変わります。
四正の対冲
(季節の真ん中で気が最も盛んな時)
子-午 酉-卯・・・激しいぶつかりあいです。
四勢の対冲
(季節の始めで勢いがある時)
亥-巳 申-寅・・・突発的で大きい作用です。
四庫の対冲
(季節の終わりで次につながる作用)
戌-辰 未‐丑・・・作用は長引く傾向になる。
万物負陰
而抱陽沖気以為和
万物負陰而抱陽、
沖気以為和
老子先生は「万物は陰を負いて陽を抱き、沖気を以て和を為す」とおっしゃっています。
これは、この世界にあるものは全て、陰だけではなく、陽だけでもなく、両方ともあわせ持っている、ということです。
「美しい」というものが成り立つためには「醜い」ものが必要で、「正しい」ものが成り立つには「不正」が必要だということです。
美しいだけの人、正しいだけの人は、ほんの少しのダメージで美しくなくなり、正しさを失ってしまう。
でも、醜さを抱えた美しさは強靭な強さを持ち、不正をふまえた正しさは臨機応変な対応力を持って強くなります。
どんなものも表の面だけでは弱く、裏表あわせ持つことで強くなります。
対冲という関係は、裏と表が対峙する関係になるので、穏やかに時間が過ぎる、ということはありません。
例えば「天剋地冲」を自分の宿命の中に持っていたり、運勢でまわってきたりすると、表の面と裏の面が衝突するような作用が生まれます。
天剋というのは宿命図の中の干が剋の関係になるので、精神的な領域です。
気持ちがダメージを受け、対冲ということで現実の物事も壊れてしまうような現象が起きてしまいます。
持っている人
宿命のなかに天剋地冲の位相法を持っている人は、気持ちが変わることが多くなります。
昨日はOKって言っていても、今日は駄目と言ったり、同じ気持ちを保つことが難しいです。他人から言われたことに過剰に反応してしまったりします。
現実の生活でも対冲の作用があらわれやすいので、事故にあいやすかったり、ものを壊してしまうことが多かったり、ケガをしたり、病気になりやすかったり、物事を完成させる前にやめてしまったり、が多いです。
これだけだと、マイナスの働きしかないようですが、老子先生がおっしゃるように、物事にはマイナスがあれば必ずプラスの働きがあります。
では、天剋地冲の
プラス面はなんでしょう?
それは、壊れるべきものを壊すことです。かたい土の塊を壊して中から宝石を探し当てる。木を切り倒して、家具に作り替える。そんな働きです。
それならただの「剋」の関係と一緒と考える方もいらっしゃると思います。
剋と対冲の違いは、
「剋」には動機がありますが
「対冲」にあるのは衝動なのです
思ってもいなかったのに
「ついやってしまった」
という行動が「対冲」の作用です。
だから
「わざとじゃないです」
これは声を大にして言いたいことなのですが「対冲」の作用として色々な物や人間関係が壊れたりしますが、「わざとじゃないのです」そういう流れに巻き込まれてしまうような感覚です。
特に天剋地冲というのは気持ちも現実もバラバラになる現象をいうので、何かしら壊れることになりますが、繰り返して言いますが
「わざとじゃないのです」
そういう流れなんです。
おおめにみてあげてください。
対冲の作用で壊れるものは
壊れる必要がある、
という場合が多いです。
身体を壊すのは健康に気を付けましょうというサインですし、婚姻関係が壊れるのは、他の人との出会いが待っていたり、新しい世界への旅立ちのきっかけであったりします。
壊れることが必要な場合もあるのです。
天剋地冲の
位相法になったとき
運勢の流れで天剋地冲の関係になるときがあります。
そんなときは、精神が変化するような出来事があり、それによって現実が変わっていく状態になることが多いです。
宿命のなかのどの場所の干支が天剋地冲の関係になるかで変わるのですが、共通するのは、干(精神)が影響を受け、支(現実)が変わる、ということです。
年干支が天剋地冲になる場合は、仕事や社会生活での変化になり、月干支なら自分の気持ちの変化、日干支なら自分自身や家庭生活が変化することになります。
変化があるといっても、怖がらずに、壊れるべきものが壊れる。
変化が必要なものが変わる時期なのだ、と思って受け入れると運勢は順調に流れていきます。
流れに逆らわず、やってきたことを受け入れて対処する、という考え方で変化を乗り切れると思います。